2024/11/03
今の時代、ウサギ跳びは膝を痛めやすいとされ、旧時代の根性論やイジメの代表のような扱いで、子供たちにウサギ跳びをさせることは全くなくなりました。医療機関側からも、わずかでも膝に障害を疑われる場合には当然のことながら、おこなわせるべきではないことは当然でしょう。
しかし、私はバレーボール経験者なので、どうしても強調してしまうのですが、下半身が固くてたとえば野球の内野手やバレーボールで、お尻を落とせず、低いボールを処理しづらいといった選手に、いくらノックやレシーブを繰り返しても、より低いボールの処理が可能となるでしょうか? 逆に、私に固い関節に可動域限界で強い衝撃を強いている時点ですでに障害を招く可能性の方が高いのではないか、とみています。
整形外科の診療の現場では、しばしば確認されることですが、和式生活を今の子供たちが経験していないためか、仰臥位(あおむけ)で片側の膝を伸ばし、もう片方の膝を屈曲させた場合、かなりの割合で、もともと踵とお尻が触れることができません。対して膝痛を訴えられてこられたご婦人方でも、多くは健側では踵とお尻と容易に触れ合うことができます。確かに和式生活と縁のない今の子供たちでは、かつてのわれわれより深い屈み動作が不要で、ウサギ跳びでは余裕のない分、膝を傷めやすいのは当然かもしれません。
スポーツの現場で屈み動作をしっかり要求されるスポーツであるほどに、日頃から準備運動として、マンツーマンで下半身・股・膝・足関節の柔軟体操が不可欠となり、私はバレーボールコートの横幅程度であれば、ウサギ跳びでなくても深く屈んで歩かせるだけでもありだと思っています。かつてのようにうさぎ跳びで運動場を一周とか、階段を登らせるなどではないのです。
もちろん下半身の筋トレ目的であれば、スクワットなどの安全な筋トレ法が周知されていますし、屈む動作が不要なスポーツなら、必要はありません。しかし、前述したように、腰の低さが要求されるスポーツなら、「十把(じっぱ)ひとからげ」で反対するのではなく、脚周りの関節可動域を高めてくれる柔軟体操の一つとして、私はありだと思っています。みなさんはいかがでしょうか?